パーダ 300B 2019年 10月販売開始 |
直熱三極管300Bによる無帰還プッシュプル、段間トランスとディスクリート半導体で前段を構成、ルンダール社製出力トランスとチョークコイル採用 特長オーディオ真空管の王者にふさわしい300B直熱三極管の優れたリニアリティを生かしプッシュプルで出力段を構成。 入力段はSN,周波数特性、ひずみ率に優れた国産のディスクリートトランジスタで構築し、半導体部と真空管部をファインメトコアの段間トランスで結合させました。 電源部も独立させることによりお互いの干渉をなくすとともにそれぞれの長所を引き出します。 出力トランスと電源チョークコイルはプロスタジオ機器で有名なスエーデンルンダール社製を採用。 樹脂等で固めてケースに入れないオープンな構造とスピーカーからの逆起電力の影響を受けないオーバーオール無帰還回路とあいまって力強くかつ繊細で癖のないサウンドを奏でます。 出力28W 8Ω負荷時, 歪率 2%
定価 TAKATSUK TA-300B版 1,084,160円/台 消費税込み Western Electric 300B版 1,188,000円/台 消費税込み 真空管なし版 862,400円/台 消費税込み
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PADA-300B ブロックダイアグラム
PADA-300B 各部説明
各部
PADA-300B 各部写真
付属のボンネット装着 2台でステレオ |
無垢ローズウッド、オイル仕上げ |
後方 | 横 |
シャーシ内部
PADA-300B 解説
ハイブリッド構成の真空管パワーアンプは今までは前段に真空管、出力段にトランジスタを使うケースが多かったようです、これはあくまでもトランジスタを電力増幅の中心と考え、それに真空管サウンドを加えるという思想ではないかと思います。しかし、このPADA-300Bはその反対である前段にトランジスタ、出力段に真空管を配しました。これによりひずみ率、周波数特性、SN比などの物理的特性が改善され、段間にはインターステージトランスを置いて、トランジスタ部と真空管部の電圧や信号レベルの違いをスムーズに結合させて、お互いの長所を生かし、真空管のサウンドを余すことなく引き出すことを狙いました。
出力段には300Bのもつ電力増幅デバイスとしての優秀な特性をそのまま生かされるように無帰還とし、フィラメントはAC点火としました。直熱三極管は近年では大容量ダイオードが安価になりましたのでハム雑音の低減のためDC点火とするケースが多いですが、DC点火ではフィラメントの持つ抵抗成分によって部分部分で温度が若干異なり、電子のエミッションが均一でなくなります。さらにフィラメントの寿命にも悪影響を及ぼします。PADA-300Bではこの真空管が開発された時代の正しい動作条件であるAC点火にこだわり、これらの問題を回避しました。プッシュプル構成ですのでお互いのハムは打ち消され、さらシンプルなハムバランサ半固定抵抗の調節で非常に優秀な残留雑音特性を得ております。
300Bは自己バイアス動作で、バイアス回路には一般的には小型で大容量な電解コンデンサを使いますが、あえて大型ポリプロピレンフィルムコンデンサを使い、優れた精度、高域特製、高温でも長寿命という長所を生かしかつ色付けのない素直なサウンドを実現しました。ルンダール社製出力トランスと相まってPADA-300Bのサウンドを特徴づけています。
前段のトランジスタ部には往年のNECや東芝製のオーディオ専用J-FETとバイポーラトランジスタを使用しています。これらのトランジスタはすでに生産中止となりましたので、いまではオーディオ専用でないチップ型トランジスタを多数使った複雑な回路で構成するしかありませんが、オーロラサウンドでは上記の国産トランジスタを多く所有しており、無駄なく、素材の持つ優れた特性をそのまま生かせる回路で前段を構成しております。
電源回路は前段と後段で独立させて、フォルテシモやパーカッシブなパッセージでも電流が後段に多く配分されて前段がおろそかになったりしないように配慮しました。整流用ダイオードは最新技術である国産シリコンカーバイドを使い、整流用コンデンサは一般的にはここにも電解コンデンサを使いますが、さらに良い高域特性、少ないリーク電流、かつ長寿命な国産フィルムコンデンサを使いました。これにより音楽のダイナミクスに左右されない、非常に静粛で音に癖のない、かつ盤石な電源とすることができました。
シャーシは天板に4mm厚のアルミ材、ボディには無垢の25mm厚ローズウッド材を使い、オイルフィニッシュ仕上げで堅牢でシックなデザインとしました。ローズウッドはアコースティクギターのネック指板やボディ側板に使われる目のつまった重い木で、楽器の構造の基礎としてギター表面版や弦をしっかり支える役目をしますが、PADA-300Bにも同じような効果を期待しました。
真空管につきましてはPSVANE社のWE-300Bを標準としていますが、TAKATSUKIのTA-300Bもオプションとして準備しています。
真空管なしのモデルもございます。
新しい真空管を装着したときにはハムバランサーの調整が必要です。 ハムバランサー調節の仕方を動画で説明いたします。
https://www.youtube.com/watch?v=-yfVJLV3X0w
PADA-300B 仕様
[電気的特性] 1台 | |
入力 | RCAアンバランス またはXLRバランス 入力インピーダンス 56kΩ (RCA/XLR) |
出力 | 28W 8Ω負荷時、歪率 2% スピーカーインピーダンスは4Ω-16Ωまで対応します |
入力感度 | 400mV/RCA, 800mV/XLR 最大出力時 |
周波数特性 | 20Hz – 45kH, +0db/-3dB |
THD+N | 0.08% A-weighted |
残留ノイズ | 0.09mV以下. A-weighted |
各種機能 | RCA/XLR入力切替SW, 入力MUTE SW |
使用真空管 | TAKATSUKI TA300B または Western Electric 300B を選んでください。 真空管無し版もございます。 |
本体大きさ | W310 xD480 xH248mm ボンネット装着時 |
重量 | 19.8kg |
消費電力 | 180w |